~Marketing Automation Professional~

2017年2月3日金曜日

シャノン社の上場について考えてみた

グリードナーチャリング代表の永井で御座います。

つい最近(2017/1/27)、日本におけるMAの草分け的存在であるシャノン社が東証マザーズに上場しましたので、「シャノン社の成長戦略」と「IPO後の投資家の反応」について、簡単ではありますが、私なりの分析を記そうと思います。

シャノン社の会社概要について
 MAツールの「シャノンマーケティングプラットフォーム」を上市しているシャノン社は、MA業界では知らぬ人は居ないほど名の知れた有力会社ですが、今般上場するにあたり、財務情報等の詳細が公開されましたので、まずは念のため同社の概要について、はじめにおさらいしてみることにします。

商号:株式会社シャノン
代表者:中村健一郎
従業員:126名(2017年1月時点)
設立:2000年
事業内容:
・マーケティングクラウドの提供ならびにソリューションの企画・開発・販売
・マーケティングに関連するコンサルティング・アウトソーシングサービスの提供
◎財務概要
2015/10月期(実績): 売上高1,411百万円 / 当期純利益24百万円
2016/10月期(実績): 売上高1,534百万円 / 当期純利益36百万円
2017/10月期(予測): 売上高1,789百万円 / 当期純利益66百万円

 上記の財務状況を見ると、会社全体として売上高、利益ともに堅調に成長していることが窺えます。因みに、公開情報を紐解くと、同社の売上高の大半はやはりMA事業が占めているようで、同社のMA契約アカウント数を見ても、2016/10月期の契約アカウント数は301アカウントとなっており、前期比4.5%増で推移しているようです。(出所:シャノン社の各種IR資料)

シャノン社の成長戦略について

 シャノン社が2017年1月27日に発表した「成長可能性に関する説明資料」によると、今後も引き続きMA市場での事業拡大をベースに成長戦略を描いていることが確認できます。
同資料にも記載がありますが、日本におけるMA市場はCAGR(年平均成長率)が約25%程度で、今後も成長拡大することが調査会社等のレポートにより示唆されているようです。日本全体のGDP成長率が2%内外である昨今の経済事情を鑑みると、凄まじいポテンシャルであると言ってよいでしょう。
ただし、MA市場が活性化するにつれて、新規参入企業が増えて企業間競争が激化するのも事実です。これに対して、シャノン社は、1)「マーケティングオートメーション市場への積極投資」や、2)「パートナー戦略の推進」などを謳っていることが確認できます。

 1つ目の戦略は、いわゆる自社製品の差別化戦略であり、目を見張るものではないのですが、2つ目の戦略である「パートナー戦略の推進」については、非常にエポックメイキングな戦略であると私は考えています。
というのも、シャノン社は「パートナー戦略の推進」として、セールスパートナー、コンサルティングパートナー、連携サービスパートナー、他のプラットフォーマー、マーケティングコンサル会社など、ややもすると競合企業になりかねないような様々なステークホルダーを定義しているのですが、これは、自社の門外不出のサービスやノウハウを外部企業に一部共有する決意の表れでもあると推測できるためです。

 私見にはなりますが、パートナー企業に自社のサービスやノウハウを模倣されるおそれのある諸刃の剣の「パートナー戦略の推進」について、成長戦略の柱の一つとして掲げる同社の意図としては、日本国内のリーディングカンパニーとして、競合企業とパイを奪い合うような排他的な経済戦争を行うのではなく、むしろ競合企業と手を取り合いながらMA市場の活性化に挑んでいく真摯な姿勢が見え隠れしているのではないかと考えています。

IPO後の投資家の反応について
上記のような素晴らしい事業戦略を掲たうえで、2017/1/27に見事IPOを実現したシャノン社ですが、投資家の反応にも目を見張るものがありました。
まず、IPO時の公開価格ですが、上場企業の株価算定指標であるPER(株式時価総額を当期純利益で割ったもの)は実に50倍を超えています。
昨今の株式相場が好調であることは周知の事実ですが、ファイナンス理論上、一般的にはPERは20倍前後といったところがボリュームゾーンであることを鑑みると、マーケットや投資家の期待感が非常に高かったことが、この事実から推察できるかと思います。
さらに驚くことに、同社の株価は、IPO初日は買い需要過多により初値がつかず仕舞いで取引終了したようですので、公開価格のPERである50倍をさらに超える高い評価を得ていたということが窺えます。

最後に、私もMA業界の一端を担う一人ではありますが、業界のリーディングカンパニーであるシャノン社のさらなる発展を祈念するとともに、今回のIPOをきっかけに、MAの認知度向上・ユーザー増加が一層進んでいくことを切に願っています。


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